【3月3日 CGTN Japanese】北京2022年冬季パラリンピックの「平和の火」の採火式が2日、北京郊外の八達嶺古長城で行われました。最初の聖火ランナーを務めたのは73歳の夏伯渝(Xia Boyu)さんです。

 1975年、当時26歳だった夏伯渝さんは初めて世界最高峰のチョモランマに登った際、凍傷で両足を失いました。切断手術後、夏さんは一生を車椅子で過ごさなければならないと思い込み、自信を無くしましたが、1年後に専門家らの立ち会い診察で、義足を着ければ健常者のように生活できるだけでなく、山登りもできることが分かり、チョモランマ登頂に再挑戦するとの目標を定めました。

 それから40年余り、夏さんのチョモランマ登頂計画は一つまた一つとくじかれました。2014年、65歳になった夏さんは再び、チョモランマの麓に到着しましたが、ほどなくネパール登山史上最悪の惨事が発生し、全ての登山活動が中止されました。2015年に再度出発したものの、ネパールでマグニチュード8.1の地震が発生し、なんとか生還できました。2016年に4回目のチョモランマ登頂に挑みましたが、頂上まであと94メートルの所で天候が急変し、同行した5人の若いガイドの安全を考えた末、やむを得ず登頂を諦めました。

 そして2018年、5回目の挑戦で、69歳になった夏さんはついにチョモランマ登頂に成功しました。

 北京2022年冬季パラリンピックの最初の聖火ランナーを務めた夏さんは、「冬季パラリンピックの開催によって、より多くの障がい者がウインタースポーツに参加できることを望んでいる」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News