【2月27日 AFP】英イングランド北部、ハンバー(Humber)川の岸辺にあるハル(Hull)に、流れを変える風が吹き抜けている。かつて水産業で栄えたこの都市では今、緑の革命を起こすべく、風力タービンのブレード(羽根)が製造されている。

 風力タービンブレードの英最大の生産工場があるこの都市は、英政府が炭素排出削減を目指して進める長期的な取り組みの中心地となった。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は、ハルのような地域におけるビジネスチャンスを「レベルアップ」することを明言していた。英国は、昨年11月にグラスゴーで開催された国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の議長国だった。

 スペインの風力発電設備メーカー、シーメンスガメサ(Siemens Gamesa)は2016年、英港湾運営事業者アソシエーテッド・ブリティッシュ・ポーツ(ABP)と共同でハルにブレード製造工場を建設した。

 この工場では年間約300枚のタービンブレードを生産。操業開始以来、計1500枚のブレードを送り出してきた。

 各ブレードの長さは81メートルで、エアバス(Airbus)A380型機の翼長に匹敵する。風力タービン1基にはブレード3枚が使用され、1回転で平均的な世帯における1日分の発電が可能だ。

 工場の従業員は1000人を超える。当初から働いているという男性は「風力発電は将来、大きな役割を果たすと思います。ハルの雇用と経済を強力に後押ししています」と語った。

 映像は1月28日撮影。(c)AFP/Roland JACKSON