【1月25日 AFP】韓国政府は25日、北朝鮮が同日巡航ミサイルとみられる2発を発射したと発表した。米国の協議提案を無視する北朝鮮が行った、今年5回目の飛翔(ひしょう)体発射となった。

 1か月のうちにこれほど多くの発射実験が行われたのは、2019年に金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領との交渉が決裂した後以来。

 金氏は昨年12月の主要な党会議で、軍の近代化を再び約束。北朝鮮は今年に入り、制裁をよそに極超音速ミサイルなどの発射実験を相次いで実施している。これに対し米国は、新たな制裁を科している。

 今回の発射実験については、ジョー・バイデン(Joe Biden)米政権に対する挑発行為との見方もある。同政権は「前提条件なしの」協議を提案しているが、昨年行われたハイレベル協議は実質皆無だった。

 韓国・北韓大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-jin)教授はAFPの取材に対し「北朝鮮は自国の存在を世界にアピールしつつ、米政権の反応を試そうとしているように見える」と分析。北朝鮮が巡航ミサイルを発射しても、国連(UN)の制裁規定には抵触しないため、「米国をあざ笑いつつ世界の注目を集める」という狙いはあり得ると指摘した。(c)AFP/Claire LEE