【1月21日 AFP】インドで29頭の子どもを産み、「スーパーお母さん」として有名になったトラが死んだ。

 雌のトラ「カラーワリ(Collarwali)」は先週末、腸の障害が原因で静かに息を引き取った。カラーワリが産んだ29頭のうち25頭は成獣になるまで生き延び、絶滅の危機にひんするトラの再繁殖に貢献したとされる。

 中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州のペンチ・トラ保護区(Pench Tiger Reserve)では、火葬が厳かに行われた。

 小説「ジャングル・ブック(The Jungle Book)」のモデルになったとされる同保護区には、カラーワリ目当てでインド全土から観光客が訪れていた。

「カラーワリ」という名は「首輪をつけた」という意味で、幼少期に行われた調査に由来する。「この保護区で初めて首輪をつけたトラだ」と、フィールドディレクターのアロク・ミシュラ(Alok Mishra)氏は語った。「首輪のおかげで多くの記録が残され、よく知られるようになった」

 インドには世界のトラの約75%が生息しているが、狩猟や生息地の減少により、その数は危険な水準まで減少している。

 「ペンチ・トラ保護区の女王」の突然の死を受け、ソーシャルメディアでは多くの人が悲しんでいる。ツイッター(Twitter)のあるユーザーは、「カラーワリは食物連鎖に君臨した。あなたのおかげで森全体が生きていた」と書き込んだ。(c)AFP