【1月21日 AFP】米海軍のミサイル駆逐艦「ベンフォールド(USS Benfold)」が20日、南シナ海(South China Sea)を航行した。米中の緊張が高まる中、中国軍はこれに反発し、警告を出した。

 米海軍は、同艦は「西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)近海において、国際法にのっとり、航行の権利と自由を行使した」と発表した。

 中国人民解放軍(PLA)南部戦区は、自国政府が領海と見なす海域に同艦が「違法に」入ったと主張。その上で「(同艦の)追跡・監視および警告・排除を行うよう、海・空軍の部隊を配備した」と明らかにした。

 中国は南シナ海の大半の管轄権を主張している。オランダ・ハーグ(The Hague)の仲裁裁判所は2016年、同海域に歴史的権利があるとの中国の主張は法的根拠がないと判断。しかし中国側はこれを無視している。

 欧米諸国の海軍は、南シナ海は公海であるということを明示するため、米主導で「航行の自由作戦(Freedom of Navigation Operations)」を展開。今年に入り同作戦の実施が公表されたのは、20日のベンフォールドによる航行が初めてとなった。

 米国は先週、中国の南シナ海における主張は「非合法」であり、地理的にも歴史的にも正当性がないと、これまでで最も詳細な反論を行っていた。(c)AFP