【1月20日 AFP】ルネサンス後期のイタリア美術の巨匠カラバッジョ(Caravaggio)唯一の天井画が確認されているローマの邸宅が18日、競売に掛けられたが、買い手がつかなかった。

 競売の関係者、カミロ・ベルデ(Camillo Verde)氏は、「入札者がいなかった」とAFPに語った。

 同氏によると、邸宅は4月7日に再び競売に掛けられる。開始価格は今回の4億7100万ユーロ(約611億円)よりも約20%安く設定されるという。

 広さ約2800平方メートルの邸宅は、ローマ中心部のベネト通り(Via Veneto)とスペイン階段(Spanish Steps)の間にある。数世紀にわたり、貴族のボンコンパーニ・ルドヴィージ(Boncompagni Ludovisi)家が所有していた。

 邸宅は、当主のニコロ・ボンコンパーニ・ルドヴィージ(Nicolo Boncompagni Ludovisi)公が2018年に死去したことで、相続争いの末に売りに出された。競売は裁判所の命令で行われた。

 カラバッジョの油彩画は1597年に描かれたもので、1階の廊下の天井にある。ユピテル(Jupiter)、ネプトゥヌス(Neptune)、プルト(Pluto)の3体の神々が中心にある天球の周りに集まる様子が描かれている。(c)AFP