【1月23日 CGTN Japanese】日本全国のスキー人口はこの20年間、減少を続け、多くのスキー場が経営難に陥っています。一方、北京冬季オリンピックの影響で中国のスキー人口は大幅に増え、日本のスキー業界にもチャンスをもたらしています。

 最新のデータによりますと、長野冬季オリンピックが開催された1998年にピークの1800万人に達した日本のスキー人口は、2020年には430万人に激減しました。スキー人口の激減は日本各地のスキー場の経営難を招いています。感染拡大が主な原因ではなく、観光客の減少傾向は5年前から深刻になっていました。

 長野冬季オリンピックの前、日本各地に多くの屋内スキー場が建設されましたが、多くは閉鎖に追い込まれました。現在、比較的大きな屋内スキー場は2カ所しか残っていません。業界関係者や政府関係者の間では、日本のスキー業界の不況は全国的な少子高齢化が主な原因だとの見方が広がっています。

 人口面の要因だけでなく、スポーツや娯楽の多角化がスキー人口を分流させています。冬季オリンピックに4回出場した荻原健司氏は、娯楽や趣味が多様化している中で、多様なサービスをいかに提供するかがスキー場の大きな課題になっているとの考えを示しました。

 一方、日本とは対照的に、中国のスキー産業は2011年から急成長の段階に入っており、冬季オリンピック招致の成功によって「追い越し車線」に入りました。統計によりますと、2014年から2020年にかけて、中国のスキー場の数と施設は大幅に増加・アップグレードし、スキー・スノーボードの参加人口は合計1000万人前後から約2倍の2000万人以上に増えました。

 コロナ禍の前、中国からの訪日観光客数は年々記録を更新していました。2019年は959万4000人と、外国人訪日客全体の3割を占め、12年間で10倍近くに増えました。約1000万人の中国人観光客のうち、日本へスキーに訪れる人も大幅に増え、日本の各スキー場では2019年の春節期間中、中国のスキーヤーの姿があちこちで見られていました。

 昨年11月から長野市長を務める荻原健司氏は、長野のスキー場のPRを強化し、多くのスキー場を海外のスキー客に知ってもらおうとしてきました。荻原氏は北京冬季オリンピックが中国のウインタースポーツ産業の発展につながり、多くの中国人がスキーを好きになることを望んでいます。北京は日本に近く、北京冬季オリンピック以降も多くの中国人客が白馬村へスキーに訪れることに期待を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News