【1月17日 People’s Daily】粉砕・攪拌(かくはん)・焼成……広州(Guangzhou)にある中国建築第四工程局の建設現場では、建設廃棄物が細かく砕かれて細骨材となり、これは加工されて透水性ブロックとなる。「本プロジェクトにおいて1日で処理できる固形廃棄物は平均で500立方メートルにのぼり、処理リサイクル率は40%~50%に達します」と、プロジェクトマネジャーの牛永緒(Niu Yongxu)氏はいう。資源利用は資材の現地調達にもなり、ごみの処理コストなどの経費削減だけでなく、清掃・運搬の際に生じる粉じんなどの環境汚染を効率的に減らせる。

 2018年以来、中国住宅都市農村建設省は35の都市と地区で建築廃棄物ガバナンスの試験運用を展開している。目下、35のパイロット都市(地区)は差しあたり建築廃棄物の分類管理・全過程における監視コントロールシステムを確立した。試算によれば、35の都市(地区)の資源利用率は約50%であり、2018年の試験運用前より15%の向上が見られ、全国都市の平均水準を約10%上回った。現在、これらの都市の建築廃棄物収集処理能力はその都市における建築廃棄物の年間排出量を上回る。

 ごみとは置き場を間違えた資源である。建築廃棄物は工事に伴って発生する土砂や泥水、解体現場や新築現場から出るごみなどに分けられる。推計によれば、中国の都市では建築廃棄物の年間排出量は20億トンを超える。これは生活ごみの排出量の8倍前後に当たり、都市で排出される固体廃棄物総量の約40%を占める。これらの建築廃棄物は広い土地を占領するだけでなく、処理が不適切だと地下水や土壌、空気を汚染してしまう。

 資源利用率を上げるには、正確なごみの分類が鍵を握っている。江蘇省(Jiangsu)のある環境科学技術企業では、スマート技術を応用した改修工事で出たごみの分別処理ラインが粛々と動いていた。スマート分別ロボットが分別すべきごみの材質・大きさ・位置などを正確に判断し、ロボットアームでつまんで仕分けしていく。「改修工事に伴うごみは内訳が比較的に複雑で、コンクリートや石こうボード、ペンキ缶、古い金属などが含まれています。この自動ごみ分別技術は7種類の識別法を用いてごみを識別し、10種あまりの物質を分類しています」と、同社の責任者陳連(Chen Lian)氏は語る。

 ごみの収集処理施設と資源利用施設の建設が加速するにつれ、現在江蘇省ではすでにごみの資源利用施設が至るところにあり、60%以上の県(市)で規範に沿った資源利用施設が建設・運用されている。

 また、ごみ処理の全過程における監視コントロールシステム構築を加速させることも、建築廃棄物ガバナンス事業の目標の1つだ。目下、上海などでは、建築廃棄物の日常的な監視コントロールが取り入れられた「スマート都市」が構築されようとしている。(c)People’s Daily/AFPBB News