【12月30日 AFP】米国は29日、アフガニスタン人女性の権利擁護を担当する特使を任命した。アフガンで実権を握るイスラム主義組織タリバン(Taliban)が女性に対する制限を強める中、米国は今回の特使任命により、この問題を優先事項とする姿勢を示した。

 アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、アフガニスタン生まれの米学者で調停専門家のリナ・アミリ(Rina Amiri)氏をアフガニスタン女性・女子・人権問題担当特使に任命すると発表した。同氏は、バラク・オバマ(Barack Obama)政権下で国務省に勤務していた。

 ブリンケン氏は、アミリ氏が取り組む問題は自身を含むジョー・バイデン(Joe Biden)政権にとって「極めて重要」だと説明。「われわれは、すべてのアフガン人が政治的、経済的、そして社会的に受け入れられる中で暮らし、栄えることができる平和で安定かつ安全なアフガニスタンを望んでいる」と表明した。

 タリバンは前回政権を握った1996~2001年、厳格なイスラム主義に基づいた統治を行い、女性の就業や教育を禁じた。今年8月の政権復帰後、前回とは異なる統治を行うと約束したが、今も多くの女性が仕事に戻ることを禁じられ、女子は中等教育からほぼ締め出されている。

 タリバンは26日、男性の同伴がない女性の遠出を禁止すると発表。全ての車両所有者に対し、髪をスカーフなどで覆っていない女性を車に乗せないよう求めた。(c)AFP