【12月26日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は25日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)下で迎えた2度目のクリスマスを祝福し、人々の孤立が深まる中、個人レベルでも政治レベルでも対話が重要だと訴えた。

 教皇はバチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)に集まった信者を前に、クリスマス恒例のメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ(Urbi et Orbi)」(ローマと全世界へ)を送り、「パンデミックの今、(中略)社会的関係を築く私たちの能力は非常に大きな試練に直面している」と述べた。

「引きこもり、自分だけで全てを済ませてしまい、誰かと出会って共に成し遂げる努力を諦める傾向が強まっている。国際レベルにおいても、対話を避け、複雑な危機にあって長い対話の道のりよりも近道を選ぶリスクがある」と教皇は指摘。

 その上で「しかし、そのような(対話の)道だけが、紛争の解決と全ての人にとっての永続的な利益をもたらすことができる」と語った。

 教皇は、シリアやイエメン、イラクなどの国名を出し、世界中で「いまだ多くの紛争や危機、不和が見られる。それらには終わりがないように思われ、私たちはもはやほとんど気にも留めないかもしれない。私たちはすっかり慣れてしまい、甚大な悲劇が沈黙の中で見過ごされている」と嘆いた。

 また、ウクライナをめぐってロシアと欧米諸国の緊張状態が高まる中、「長期にわたる紛争の新たな発生を防ぐ」よう呼び掛けた。(c)AFP