【12月21日 AFP】バングラデシュで先週末、リクガメの一種エミスムツアシガメが森に放たれた。森林破壊と密猟により絶滅が危惧されており、個体数回復の取り組みの一環。

 エミスムツアシガメはかつて国内の熱帯雨林では多く見られた。しかし現在では、チッタゴン(Chittagong)丘陵地帯で姿を見ることはほぼない。道路の新設や開発により地域一帯の植生が消失している他、カメが地元料理の食材として人気なことも個体数減少の要因となっている。

 森に放たれた10匹は、殺されるところを保護されたカメの子どもで、飼育下に置かれていた。それぞれ発信機が取り付けられており、移動を追跡できるようになっている。

 カメ保護団体「タートル・サバイバル・アライアンス(TSA)」のリック・ハドソン(Rick Hudson)氏は20日、今回カメを野生に戻したことは、本来の生息地に戻すための「実に大きな一歩」だと語った。

 エミスムツアシガメはアジア最大のカメとして知られており、体重35キロまで成長することもある。(c)AFP