【12月9日 AFP】米フロリダ州で、汚染の影響で野生のマナティーが飢え死にする危険が高まっていることから、当局が直接餌を与える「異例の」対策を講じることになった。同州魚類・野生生物保護委員会(FWC)と米連邦政府が8日、発表した。

 試験プログラムが実施されるのは、オーランド(Orlando)南東の東海岸沿いに位置するインディアンリバー・ラグーン(Indian River Lagoon)。この地域には毎年冬になると、近くの発電所から放出される温水目当てに多数のマナティーが移動してくる。

 しかし、ここ10年以上は、付近の農場や都市部から排水が流れ込み、藻が大量発生している。藻は毒素を生産するだけではなく日光を遮るため、マナティーが主食としている海草の成長が阻害される。

 今年これまでに、1017頭のマナティーの死骸が確認されている。

 FWCのトーマス・イーソン(Thomas Eason)氏は「異例の事態には、異例の措置を講じる」と述べた。マナティーに餌を与えることができるのは少数のみで、必要な時だけだという。同氏は一般市民が餌を与えることは禁止されていると強調した。

 飼育下では、キャベツなどの野菜が餌とされている。(c)AFP