【12月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は5日、地中海を渡って欧州を目指す移民・難民が集まるギリシャ・レスボス(Lesbos)島を再訪し、移民問題への無関心は「文明の難破」だと述べた。

 フランシスコ教皇はかねて移民らを擁護しており、レスボス島を訪れるのは2016年の移民危機以来2回目。ギリシャ訪問初日の4日には、欧州の移民への対応について「国家主義的なエゴイズムに引き裂かれている」と厳しく非難している。

 移民や難民約2200人が暮らすレスボス島のキャンプに2時間余り滞在した教皇は、「欧州には、この問題を自分たちとは関係ないものとして扱い続ける人々がいる」と語った。

 また、地中海について「墓標のない恐ろしい墓地と化しつつある」と警告し、「これほど時間がたったにもかかわらず、移民問題に関しては世界はほとんど変わっていない」と嘆いた。

 教皇は、子ども数十人やその家族らと交流し、通訳を介して「あなた方を助けようとしています」と語り掛けた。男の子を抱き締める場面もあった。

 国際移住機関(IOM)によると、今年はこれまでに危険な地中海横断を試みた移民1559人が死亡したか行方不明になっている。

 ここ数週間では、ベラルーシとポーランドの国境で移民数人が死亡。先月にはフランスから英国を目指した移民のボートが沈み、27人が死亡した。(c)AFP/Marina RAFENBERG with Clement MELKI and John HADOULIS in Athens