【12月1日 AFP】フランスの極右評論家、エリック・ゼムール(Eric Zemmour)氏(63)が11月30日、来年の大統領選挙に出馬すると表明した。現職のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の座を争う同選挙戦に、過激な反移民政策を掲げる候補が加わった。

 ゼムール氏はユーチューブ(YouTube)に投稿した動画で「われわれの運命を引き受けようと決心した」と述べて、立候補を正式表明。反移民の姿勢を強調し、世界の舞台で国家の威信を取り戻すと誓った同氏は、「もはやフランスを改革する時ではない、救う時だ」と訴えた。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領と比較され、「フランスのトランプ」とも呼ばれるゼムール氏は、来年4月の選挙でマクロン氏の再選を阻止し、ベテラン極右政治家のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏を抑えるだけの資金と支援を得ていると自信を示した。

 憎悪発言で過去に2度の有罪判決を受け、露骨な人種差別主義者との批判にさらされる一方で、フランスの伝統的な価値観の擁護者との称賛も受けるゼムール氏は、ここ数か月の世論調査では人気が急上昇していたが、初期の勢いには陰りも出始めている。

 ゼムール氏は、フランスで最も著名なコメンテーターの一人。移民やイスラム教の制限をめぐる過激な主張により、人種や宗教間の緊張が広がる仏国内の保守派からの支持に期待している。

 ゼムール氏は12月5日午前に、首都パリで最初の公式な選挙集会を開催する予定。一方、同日午後には、同氏に対するデモも計画されている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS and Adam PLOWRIGHT