【11月30日 AFP】ロシアは29日、極超音速巡航ミサイル「ツィルコン(Zircon)」の実験にまた成功したと発表した。世界では現在、極超音速兵器の開発競争が過熱している。

 ロシア、米国、フランス、中国の4か国が、マッハ5以上の速度に達する「極超音速滑空体」の実験を進めている。

 ロシア国防省によると、ツィルコンは軍艦「アドミラル・ゴルシコフ(Admiral Gorshkov)」から発射され、400キロ離れたバレンツ海(Barents Sea)の標的に命中。実験は成功した。

 ロシアは軍艦や潜水艦へのツィルコン搭載を計画しており、このところ同ミサイルの実験を繰り返している。今回の実験は、一連の試験における最終段階の一環として行われたとされる。

 極超音速滑空体をめぐっては、中国が7月、南シナ海(South China Sea)上空を飛行中の滑空体から、音速の5倍以上の速度でミサイルを発射する実験を行っていたことが欧米メディアにより報じられていた。これまで極超音速ミサイルの空中発射能力を示した国はなかった。中国はこの報道を否定し、再使用可能な宇宙船の定期実験だったと説明している。(c)AFP