【12月2日 AFP】米物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の直筆のメモが1160万ユーロ(約15億円)、メキシコ人芸術家フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)の絵画が最高額の約3500万ドル(約40億円)、恐竜トリケラトプスの世界最大級の骨格標本が660万ユーロ(約8億5000万円)──。競売の世界ではここ最近、前例のない規模の取引が続いている。

 出品物の査定額を出すのは、以前より難しい。

 アインシュタインが一般相対性理論の構想時に残したメモの落札価格は、予想価格の5倍だった。アインシュタインの直筆文書では過去最高額だ。

 11月には、お蔵入りになった1970年代版のSF映画『デューン(Dune)』の絵コンテ集が激しい競り合いの末、予想の100倍近くとなる266万ユーロ(約3億4000万円)で落札された。

 美術品市場調査会社アートプライス(Artprice)によると、競売への関心が過熱している要因は、取引がオンラインで行われるようになったことにある。こうした傾向は、特に米国やアジアで顕著だ。

「競売会社は、時代にかなり後れを取っていました。しかし、新型コロナウイルス流行の影響でデジタル化を余儀なくされた結果、オンライン取引が目覚ましい伸びを見せ、新しい顧客層を呼び込んでいます」とアートプライス創始者のティエリ・エルマン(Thierry Ehrmann)氏は話す。

 さまざまな傾向が変化しているとして、30代には住宅購入より美術品収集が好まれるようになっていることを例に挙げた。