【11月27日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は26日、英仏間のイギリス海峡(English Channel)を横断中に移民27人が水死した事故を受け記した書簡をツイッター(Twitter)に投稿したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相を、「真剣でない」と批判した。

 ジョンソン氏は25日夜、移民密航阻止策を五つ提案する書簡をマクロン氏に送付した上で、その全文を自身のツイッターで公開。フランスの怒りを買った。

 ジョンソン氏は書簡で、英治安部隊をフランスに派遣して共同パトロールを行うという、マクロン氏にとって微妙な問題となっている案を再度提示。さらにフランスに対し、英国に到着した移民全員の受け入れを直ちに開始するよう要請した。

 マクロン氏は訪問先のイタリア・ローマで開いた記者会見で、「真剣でないやり方には驚かされる。首脳はこのような問題について、ツイッターや公開書簡で他国の首脳と意思疎通をしないものだ」と苦言を呈した。

 両国の関係は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる一連のあつれきにより、過去数十年で最も緊迫しているが、マクロン氏によるジョンソン氏個人に対する批判によって対立はさらに激化した。26日には、イギリス海峡での英国の新規漁業権付与に抗議するフランスの漁師が、フェリーと列車の同海峡通行を一時妨害する事態も起きている。

 専門家は、両国間の信頼と友好関係の欠如により、英仏海峡を横断する移民の増加への対処における協調がより困難になると指摘している。フランスのジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相はジョンソン氏の書簡への抗議として、プリティ・パテル(Priti Patel)英内相に対し、28日に仏カレー(Calais)で欧州諸国が開く会合への招待を取り消すと伝えた。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT, Stuart WILLIAMS