【11月26日 AFP】世界第2位の人口を擁するインドで、統計史上初めて女性の数が男性を上回った。

 インドには花嫁側が多額の持参金を用意する慣習があり、娘がいれば金銭的な負担が重くなるとみなされがちなことから、伝統的に女児よりも男児の誕生が好まれてきた。

 性別選好による中絶は法律で禁止されているが、根強く残り、常に、男性の数が女性の数を大幅に上回っている国の一つとなっていた。

 しかし、保健省が24日に公表した「全国家族健康調査」の最新版によると、男性1000人に対し女性は1020人となった。1876年に国勢調査が始まって以来、主要な人口調査で男女比が逆転したのは初めて。

 NGOインド人口財団(Population Foundation of India)の厚生科学専門家、サンガミトラ・シン(Sanghamitra Singh)氏はAFPに対し「男女比の改善はプラスであり、正しい方向への一歩だが、男女平等の実現にはまだ課題も多い」と語った。

 今回、男女比が逆転したのは、女性の方が平均寿命が長いことが要因と説明されている。出生数は現在も男児の方が多く、男児1000人に対し女児は929人にとどまっている。シン氏は「ある程度、男児が好まれていることが示されているかもしれない」と指摘した。

 一方、合計特殊出生率は、2015~16年に行われた前回調査の2.2から2に低下した。人口の増減がない均衡状態となる「人口置換水準」を下回っており、インド人口財団は「家族計画プログラムの重要な成果」だと歓迎している。

 インドの人口は現在約13億人。国連(UN)は、今後10年以内に世界第1位の中国を追い抜くと予測している。今回の調査は約60万世帯を対象に実施された。(c)AFP