砂漠の新首都、エジプト大統領のレガシーづくりか?
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【11月26日 AFP】絢爛(けんらん)豪華な大統領宮殿、真新しい議事堂、格式高いオペラ劇場、広大な公園…いずれもエジプトの砂漠で建設が進む新首都の構想の一部だ。
地平線には建設現場が林立し、アブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領の壮大な都市計画の中核が姿を現そうとしている。
1000年の歴史を誇る首都カイロの東約50キロに位置する新首都プロジェクトは、急ピッチで完成を目指している。今月に入り、シシ大統領は12月に首都移転を開始し、「6か月の試用期間」に入るよう政府職員に指示した。
総事業費約450億ドル(約5兆1000億円)が見込まれる新首都の面積は、シンガポールとほぼ同じ約700平方キロ。2000万人以上が住み、今も肥大化しているカイロ首都圏の人口過密問題の解決策として期待されている。
シシ氏は2014年の大統領就任後、新首都建設を「新しい国家、共和国の誕生」と位置付けた。
ただし、公式には「新行政首都」と呼ばれる新都市は、ブラジルのブラジリアのように旧首都と競い合うのではなく、隣り合う大都市カイロにいずれのみ込まれると見る向きもある。
「私からすると、新首都は謎ですね」と疑問を投げ掛けるのは、フランス国立開発研究所(IRD)の所長、ガリラ・カディ(Galila El-Kadi)教授(都市計画)だ。
「カイロ郊外にあるのにまだ誰も移住していませんが、数年のうちに拡大してカイロと融合してしまうのではないでしょうか。これだけの規模の人口密集を管理する問題が大きくなるだけです」