【11月17日 AFP】四大大会(グランドスラム)4勝を誇る女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)が16日、同じ女子テニス選手の彭帥(Peng Shuai、中国)が中国の前副首相から性的関係を強要されたと告発した後、消息不明になっている問題について、「ショック」を受けていると話した。

 彭については、男子世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)ら多くの選手が安否をとても心配していると話し、懸念の声が高まっているが、大坂もその輪に加わった。

 24歳の大坂は、110万人以上のフォロワーを持つ自身のツイッター(Twitter)にコメント文を載せ、SNSで広く使用されるようになったハッシュタグ「#WhereIsPengShuai(彭帥はどこに)」をつけて次のように述べた。

「いかなる理由があろうとも、抑圧は許されることではなく、彭帥とその家族が無事であることを祈っている。現在の状況にショックを受けている。彼女に愛と道を照らす光を送りたい」

 彭の状況を明らかにするよう求める圧力が強まる中で、中国政府側は今のところこの件に関する質問に答えていない。

 グランドスラムのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全仏オープン(French Open)の女子ダブルスで優勝した経験を持つ彭は今月、張高麗(Zhang Gaoli)前副首相から性行為を「強制」され、数年間にわたり断続的に関係を持っていたと中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)で告発。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が中国共産党の上層部に及んだのは初となるが、投稿はすぐさま削除され、彭は音信不通になった。

 女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は14日、この件の「徹底的かつ公正、透明な調査」を求めた一方で、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対しては「彼女の無事と、身の危険にはさらされていないという確認を得ている」と話している。(c)AFP