【11月16日 AFP】米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)の大谷翔平(Shohei Ohtani)が15日、飛躍のシーズンを終えて記者会見を行い、レジェンドであるベーブ・ルース(Babe Ruth)氏との比較は「光栄」とコメント。これからも多くの人の記憶に残る選手を目指していきたいと語った。

 100年前のルース氏しか実現できていない、本格的な投打の二刀流に今季も挑戦し、2021年のMLB最大のスター選手となった大谷は、日本記者クラブ(Japan National Press Club)で記者会見に臨み、ルース氏について「比較していただけるだけで、とても光栄なこと」と話した。

「(ルース氏は)残した数字だけではない方だと思うので、そこが一番すごい。いつまでも覚えてもらえる選手というのはなかなかいるものではないので、そこは選手として目指すべきものの一つかなと思います」

「実際にやっているところを見ているわけではないけれど、多くの方が知っているというのはすごいことだと思います」

 打者としてタイトルにあと2本に迫る46本塁打、投手として9勝を挙げた大谷は、今季すでに選手間投票による年間最優秀選手(MVP)に選出されており、史上16人目の「コミッショナー特別表彰」も受けた。また、18日に発表されるア・リーグ年間MVPのファイナリスト3人にも残っている。

 しかし本人は、先のことに目を向けている。

「来年またもっともっとそういった賞をいただけるように、切り替えていきたいなと思っています。今年やってきた数字をそういうふうに評価してもらえるのはうれしいことだなと思っています。ただ、(賞を)待ちわびるという感覚ではないので、さっきも言ったように切り替えてやっていきたいなと思っています」

 今シーズンの大谷はさらに、史上初となる投打同時のオールスターゲーム(All-Star Game)先発出場を果たし、米誌タイム(Time)による「世界で最も影響力のある100人」にも選出された。日本で国民的ヒーローになっている大谷に対して、会見では納税や結婚に関するものなど、さまざまな質問が飛んだ。

 普段から明るいところが目立つ大谷だが、会見では「もちろん、落ち込んだりはします」と明かしている。

「今年の最後の方などは(中略)チームの勝ちもついてこず、ポストシーズンというその先の戦いも見えてこない中での戦いが多かった」

「もちろん、打てない、打たれたといったことで落ち込んだりすることはある。ただ、大リーグの場合は毎日毎日、連戦ばかりなので、毎日試合があって良かった、悪かったという結果が必ず出てくる。なので、毎日きょうはここが良かったな、ここが悪かったなというのが出てくるのはすごく幸せなことじゃないかなと思っています」

 二刀流への挑戦を考える選手が増えてきていることも歓迎し、「受け入れてくれる環境があるだけでも、やっている側としてはうれしい」と話した。(c)AFP