【11月21日 AFPBB News】東京都国分寺市の量り売り専門店が、紙やプラスチックの包装なしで少量からの買い物ができると評判だ。今年1月の開業以来、ごみを出さない買い物という選択肢が、地域の人たちの間に徐々に根付きつつある。

 ごみの削減に取り組んでいるのは「nue by Totoya(ニュ・バイ・トトヤ)」で、店内にはみそやしょうゆなどの調味料から、ナッツ、ドライフルーツ、パスタなどの食材、洗剤や日用雑貨まで約200品目がずらりと並ぶ。週末に限って、有機野菜も販売している。

 オーガニック食材の輸入・卸売りを手掛ける斗々屋(Totoya、京都市上京区)が運営。仕入れの段階から、繰り返し使えるほうろう製の容器を用いるなど工夫している。商品もオーガニックや、開発途上国から適正な価格で購入するフェアトレード、ごみを出さない「ゼロウェイスト」にこだわる。

 斗々屋の広報担当、ノイハウス萌菜(Mona Neuhauss)さん(28)は「紙でもプラスチックでも資源を使い捨てにしない」ことが理念だと、AFPBB Newsに語った。限りある資源を守りながら、次世代につなぐ持続可能な買い物の在り方を、斗々屋は追求している。

 ノイハウスさんは、環境問題に関心があるかどうかを問わず、「普段使いのお店の一つとして使っていただけたら」と話す。客層は幅広い年齢層にわたり、男女別では女性の方がやや多い。

■「いい循環が生まれる」

 スタッフの鴨下茜(Akane Kamoshita)さん(36)は、「すべての食品が20グラムから購入いただけるので、本当に必要な分だけ買うことで食品ロスを減らすことにもつながります」と語った。

 持参した容器をはかりに掛けて重さを記入し、商品をほしい量だけ入れてレジに持っていく仕組みだ。

 容器は持参を推奨しているが、初めて来店する人のために瓶やコットン製の袋も販売。客が自宅の不要な瓶を寄付する「ドネーション瓶」も導入し、容器の持ち合わせがない人でも20円払えばそれを利用できるようにしている。

 別のスタッフ、中居美樹(Miki Nakai)さん(21)は「今までごみだと思っていた空き瓶が、洗って煮沸して持って来たら誰かのためになるという、いい循環が生まれる」として、大切にしているシステムだと話した。

 店内では、入店時のマスク着用や手指のアルコール消毒はもちろん、トングやおたまなどの器具や、商品の入った容器のふたも消毒を徹底している。