【10月28日 AFP】欧州連合(EU)司法裁判所は27日、ポーランドが裁判官の懲戒制度の停止命令に従っていないとして、1日当たり100万ユーロ(約1億3200万円)の制裁金を支払うよう命じた。EUとポーランドは、右派与党「法と正義(PiS)」が推進する司法改革をめぐり対立を深めている。

 問題となっている懲戒制度については、EU司法裁が7月に即時停止を命じる暫定措置を決定したが、ポーランドのマテウシュ・モラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相は応じていない。このため、欧州委員会(European Commission)が先月、制裁金を科すよう司法裁に申し立てていた。

 この制度は、政府の方針に裁判官を従わせるものだと批判されており、司法の独立と国内法に対するEU法の優位性をめぐってポーランドとEUは対立。ポーランドのEU離脱(ポレグジット、Polexit)の懸念がささやかれている。今回の司法裁命令により、両者の対立はさらに激化しそうだ。

 ポーランドの憲法裁判所は今月、EU法には同国憲法と「両立しない」条項があるとの判断を下し、EUから非難を浴びた。モラウィエツキ氏は先週ベルギー・ブリュッセルで行われたEU首脳会談で、「対話の準備はある」が「脅迫の圧力を受けながら行動する」ことはないと主張。その後、「われわれの頭に銃を突き付けて」従わせようとしているとEUを批判していた。(c)AFP