【10月23日 AFP】イタリア北部ブレシア(Brescia)の市長は22日、中国出身の反体制派アーティストの個展について、中国大使館の中止要請に従わず開催する意向を明らかにした。

「中国のバンクシー(The Chinese Banksy)」として知られる風刺漫画家バーディユツァオ(Badiucao)氏の個展「China is (not) near」は、11月13日から来年2月13日まで開催予定。中国の政治的弾圧や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に関する情報の検閲を非難する内容になる見通し。

 エミリオ・デルボノ(Emilio Del Bono)市長は日刊紙イルフォグリオ(Il Foglio)に対し、在イタリア中国大使館の個展中止要請に従わない意向を明らかにした。

 デルボノ氏は、イタリア人と中国人の友好関係は「問題になっていない」とし、「批判をしながらも友人でいられることを示すのは重要だと思う」と述べた。

 地元紙ジョルナーレ・ディ・ブレシア(Giornale di Brescia)によると、在イタリア中国大使館文化部はブレシア市議会に宛てた書簡で、バーディユツァオ氏の作品は「反中国的なうそに満ちている」と主張した。

 さらに「中国とイタリアの友好関係を危うくする」とした上で、個展に「強い不満」を表明し、中止に向けて速やかに措置を取るよう求めた。

 AFPは在イタリア中国大使館広報部に電話取材を申し込んだが、回答は得られなかった。(c)AFP