【10月15日 東方新報】最新のデジタル技術を一堂に集めた「2021年世界インターネット会議・インターネットの光博覧会」が9月下旬、中国・浙江省(Zhejiang)烏鎮(Wuzhen)で開かれた。米テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)らもリモートで参加し、世界最大のデジタル市場となっている中国への進出が不可欠となっている現状を表していた。

 中国政府主催の世界インターネット会議は2014年の第1回開幕以来、注目度は年々高まっている。今年は人工知能(AI)や第5世代移動通信システム(5G)、ビッグデータ、ブロックチェーン、インターネットセキュリティなどの分野で中国と海外企業約300社が参加し、オンラインを含めて96か国・地域から2000人以上が関わった。

 中国ではインターネットの普及率は70%を上回り、ユーザー数は10年前の5億人から現在は10億人を超えている。このうち8億人が日常的にネットで買い物をし、4億人が食事のテークアウトを注文し、2億人がオンライン医療を利用している。成長や生き残りをかけて世界中の企業が中国の市場に食い込もうとしている。

 テスラやクアルコム(Qualcomm)、シスコシステムズ(Cisco Systems)、インテル(Intel)、ノキア(Nokia)などの幹部が開幕式の全体会議に「クラウド参加」した。マスクCEOは「今後も中国への投資を拡大していく。中国はデジタル開発における世界のリーダーとなっている」と強調。クアルコムのクリスティアーノ・アモン(Cristiano Amon)CEOも「中国における5Gの展開スピードを高く評価している。わが社は中国企業と広範かつ永続的なパートナーシップを築いている」と説明し、米中企業のさらなる協力を呼びかけた。

 大会期間中、40項目のデジタル経済協力プロジェクトが締結され、契約総額は600億元(約1兆455億円)を超えた。ハイレベル人材のマッチングをする「クラウドフェア」も行われ、370の企業・団体が7000件強の求人について話し合った。

 会場のブースでは、IT大手阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の阿里雲(Alibaba Cloud)が開発し、一度に50個の荷物を運ぶことができる自律型配送ロボット「小蛮驢(Xiaomanlv)」や、産業用インターネット機器のトラブルを遠隔操作で修復する容知日新の「IT機器専門医」サービス、IT大手の百度(Baidu)が主導する開発連合「アポロ計画」の自動運転車両などが展示され、中国企業の最先端技術を見せつけていた。(c)東方新報/AFPBB News