【10月5日 AFP】(更新)フランスのカトリック教会内での児童性的虐待問題を調査してきた独立委員会は5日、報告書を公開し、1950〜2020年の被害者は約21万6000人に上ると発表した。

 すさまじい数の虐待が「沈黙のベール」で何十年も隠蔽(いんぺい)されてきたと、委員会は述べている。画期的な今回の報告書は、2年半にわたる調査の結果をまとめたもので、総ページ数は2500ページ近くに及ぶ。

 カトリック系学校の教師ら、教会関係の非聖職者から虐待を受けた人を含めると、被害者数は33万人に膨れ上がる。被害者の「大部分」は思春期前の少年で、その社会的背景はさまざまだったという。

 調査委員会のジャンマルク・ソベ(Jean-Marc Sauve)委員長は記者会見で「2000年代初頭まで、カトリック教会は被害者に対し、完全に、残酷なまでに無関心だった」と指摘した。

 またソベ氏は、聖職者らを性的虐待疑惑から守ろうとした「構造的な体質」を非難した。

 教会関係者らによる児童性的虐待をめぐっては、世界各地で告発や訴追が相次ぎ、怒りの声が広がっている。(c)AFP