【9月27日 AFP】アフガニスタン系米国人の歴史学者が、色鮮やかなアフガン女性の伝統衣装を伝える活動をソーシャルメディアで展開している。黒一色の衣服に身を包み、顔も黒いベールで覆ったアフガン女性たちが今月、首都カブールの大学でイスラム主義組織タリバン(Taliban)を支持する集会に出席する写真を見たことがきっかけだ。

「あれがアフガンの伝統的な服装だと世界で認識されてしまうのではないかと、とても心配になった」と、米ロヨラ大学メリーランド校(Loyola University Maryland)で中東の歴史を教えるバハル・ジャラリ(Bahar Jalali)客員准教授(56)は語る。「私たちの伝統と文化が誤って伝わるのはいやです」

 ジャラリさんは、「#DoNotTouchMyClothes(私の服に触れないで)」と「#AfghanistanCulture(アフガニスタンの文化)」の二つのハッシュタグを作成。これらはたちまち人気を集め、刺しゅうが施されたカラフルなアフガン衣装を着てほほ笑む女性たちの写真が多数、SNSに投稿された。

「アフガン女性はヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ)を着用しない」とジャラリさんはAFPに説明した。

「私たちはシフォンのスカーフで緩く頭部を覆うけれど、髪の毛は隠さない。アフガニスタンの歴史や文化に詳しい人なら皆、(カブールの集会に出席していた)女性たちの服装は、以前ならアフガニスタンでは全く見られなかったということを知っている」

 首都ワシントンから車で約1時間のメリーランド州グレンウッド(Glenwood)に暮らすジャラリさんは、7歳のときに米国に移住した。世俗的な政治体制下にあったアフガン社会の様子を覚えており、当時のカブールではスカーフを着用した女性たちに交じって、短いスカートやノースリーブのワンピースを着た女性たちが道を行き交っていたという。

 映像前半は取材に応じたジャラリさん、24日撮影。後半はジャラリさんが作成したハッシュタグが付けられたツイッター(Twitter)やインスタグラム(Instagram)の投稿、26日提供。(c)AFP/Amel SEMMACHE