【9月24日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は23日、先日のイタリアGP(Italian Grand Prix 2021)でのけがは誇張だとするレッドブル(Red Bull)側の指摘を一蹴した。

 通算7度の年間優勝を誇るハミルトンは、12日のイタリアGP決勝でレッドブルのマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)とクラッシュし、相手の後輪がコックピットに乗り上げる事故に遭遇したが、頭部保護装置「Halo」によって命を救われ、けがも大事には至らなかった。

 事故で首と頭に痛みを感じたというハミルトンは、レース後に米ニューヨークへ飛び、翌日にファッションの祭典「メット・ガラ(Met Gala)」に出席したことで、レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ(Helmut Marko)氏からは、チームと一緒に「大げさに振る舞った」と指摘された。

 これを受けてハミルトンは、「こうした個人的な意見には聞く耳を持たない」と一蹴し、「頭上にマシンが乗り上げたら、何らかの違和感があるのは当然」であり、「死にそうだったと言ったのではない」と主張。

「ほんの1000分の1秒差で何が起きてもおかしくなかったと実感し、深刻なけがもなく無事だったことに感謝した」と付け加え、「レース後にいくらか痛みがあったのは確かで、検査を受けることになると話していたんだ」と語った。実際に今週末のロシアGP(Russian Grand Prix 2021)へ向けてはり治療やヨガを駆使し、回復に努めたという。

 ハミルトンはまた、フェルスタッペンが自身初の年間タイトル獲得を目指して重圧を感じているのかもしれないとの見解を示したが、これに対しては反論を受けた。

 フェルスタッペンは同日、「そうだね、すごい緊張感で眠れやしない。タイトル争いは本当に怖い。すごくいやだ!」と皮肉たっぷりに述べ、そうしたハミルトンの発言は自身のことを知らない証拠だと指摘。「こういうコメントは、彼が僕のことを本当に分かっていないことを示している。それで構わないよ。こっちだって、彼がどんな人間か知る必要はない」と話した。

「こういう物事に対して、自分はとても鷹揚(おうよう)に構えているし、特にわずらわされることもない。すごく冷静だよ」 (c)AFP