【9月19日 AFP】米テキサス州で、カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチ出身者を中心とした不法移民1万人以上が橋の下に集められている。米当局が17日、明らかにした。

 メキシコとの国境に位置するデルリオ(Del Rio)のブルーノ・ロサノ(Bruno Lozano)市長によると、デルリオ国際橋(Del Rio International Bridge)の下の、税関・国境警備局(CBP)が管理する地域に不法移民が押し込められている。

 不法移民の多くは、大地震が発生し政治的混乱が続くハイチ出身者で、米国に留まることを希望しているとロサノ氏は述べた。

 同氏によると、デルリオ国際橋の下に集められた不法移民の数は、16日のうちに約8000人から1万503人に増えた。同地域では橋の下以外でも、2000~3000人がCBPに拘束されている。

 CBPは橋の下について、日陰になっていて熱中症などを防ぐことができ、拘束を待つ間の一時的な待機場所として機能していると説明した。

 CBPによると、単身の移民の「大部分」と家族連れの多くは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けた政府の移民抑制政策「タイトル42(Title 42)」に基づいて国外に退去させられる。

「タイトル42に基づき退去させられず、滞在する法的根拠を持たない人に対しては、速やかに退去手続きに入る」とCBPは説明した。

 民主・共和両党はジョー・バイデン(Joe Biden)政権に迅速な対応を求めている。一方、ホワイトハウス(White House)は本件についてコメントしていない。

 バイデン氏は17日朝、「市民の日(Citizen's Day)」に合わせて演説し、「移民はさまざまな状況から米国にやってくるが、どの世代も米国を強くしてきた」と述べた。

 米国では、7月と8月に過去10年以上で最多となる20万人以上の不法移民が流入したが、そのほとんどを国外退去させた。

 映像は17日撮影。(c)AFP