【9月18日 AFP】ロシアで、3日間にわたり行われる下院選挙の投票初日を迎えた17日、野党勢力が配信していた投票支援アプリが、アップル(Apple)とグーグル(Google)のアプリストアから削除された。収監中の野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の側近らは、両社による「検閲」を批判した。

 ロシアではここ1年間、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の反対勢力に対する大規模な締め付けが行われている。今回の選挙ではオンライン投票が導入され、新型コロナウイルス感染者と接触したことから自主隔離中のプーチン大統領もオンラインで投票する姿が国営メディアにより伝えられた。

 同日朝に首都モスクワで投票が始まる中、野党勢力は、プーチン政権派候補を落選させる方法を示した「賢い投票」アプリが、アップルとグーグル両社のアプリストアから削除されたことを明らかにした。

 ロシア政府はこれに先立ち、両社が選挙に介入していると非難し、同アプリの削除を要求していた。匿名を条件にAFPの取材に応じた関係筋によると、ロシア当局はアップルに対し、アプリを削除しなければ同社の従業員を逮捕すると警告。選挙当日のアプリ取り下げにつながった。

 ナワリヌイ氏の側近で、現在は国外に逃れているレオニード・ボルコフ(Leonid Volkov)氏はメッセージアプリ・テレグラム(Telegram)への投稿で、「両社は政府の恐喝に屈した」と批判。

 ナワリヌイ氏支持者のイワン・ジダーノフ(Ivan Zhdanov)氏はツイッター(Twitter)への投稿で、ナワリヌイ氏関連組織が「過激派」に認定されたためアプリを削除したと通知するアップルからのメールのスクリーンショットを公開。両社の「恥ずべき政治的検閲」を批判した。

 両社の代表はこの前日、ロシア政府関係者と会合していた。会合に出席したアンドレイ・クリモフ(Andrei Klimov)上院議員はロシアの通信社に対し、「われわれとの協議を受け、グーグルとアップルは唯一の正しい結論を下したのだと思う」と語った。(c)AFP