【9月16日 AFP】デンマーク法務省は15日、犯罪者との親密な関係を望む熱狂的なファン「グルーピー」対策として、終身刑を言い渡された受刑者に新たな恋愛を禁止する方針を発表した。

 ニック・ヘケロップ(Nick Haekkerup)法相は「近年、忌むべき罪を犯した受刑者が若者に接触し、同情や注目を集める不快な事例が相次いでいる」とし、「このようなことは当然、起きてはならない」と述べた。

 新たな恋愛の禁止令は判決を受けてから最初の10年間に適用され、逮捕前に親しかった相手とのみ手紙と電話での接触が許される。

 デンマークでは先に、自作した潜水艇の取材に訪れた女性ジャーナリストを2017年に殺害して終身刑を言い渡されたピーター・マッセン(Peter Madsen)受刑者をめぐり、17歳の時に収監中の同受刑者に恋をしたと告白した女性が現れて物議を醸していた。

 ヘケロップ氏は、終身刑を受けた受刑者が刑務所を出会いや発信の場として利用し、犯した罪を自慢することができないようにすべきだと語った。

 法案では、長期収監中の受刑者が自分の犯罪についてソーシャルメディアに自由に投稿したり、ポッドキャストで議論したりすることも禁じている。また、仮釈放が認められるまでの刑期を現在の2年または4年から、10年に延長することも盛り込まれている。

 15日に委員会に送られた法案には右派の野党も支持を表明しており、今秋中に可決され、来年1月1日に施行される見通しだ。(c)AFP