【9月11日 AFP】国際自然保護連合(IUCN)は10日、野生生物の喪失に歯止めをかけるため、アマゾン(Amazon)熱帯雨林の80%と、陸地と海域を含めた地球の表面積の30%を「保護区」に指定するための決議を採択した。

 政府機関やNGO、先住民組織などで構成されるIUCNは、国際的な政策を打ち出すことはしないが、同連合による勧告は国連(UN)の条約や協定の土台を築いてきた。

 仏マルセイユ(Marseille)で開かれた総会では、2025年までにアマゾン川流域の80%を保護区として指定するため、南米9か国の200万人以上の先住民を代表する団体「アマゾン流域の先住民組織のコーディネーター(COICA)」による緊急動議が提出され、圧倒的な賛成多数で採択された。

 アマゾン熱帯雨林では過去20年間にわたり、毎年1万平方キロほどが森林伐採により失われており、そのほとんどは商業的農業や牛の放牧を行うために森を焼き払って土地を開拓していることが原因となっている。

 総会ではまた、10年以内に陸地と海域を含めた地球の表面積の30%を保護区に指定するための決議も採択された。

 決議は、指定された保護区は「生物多様性のホットスポット」を含み、厳しい監視と規制によって守る必要があるとしている。(c)AFP/Marlowe HOOD