【9月24日 AFP】5日に閉幕した東京パラリンピックでは、知的障害のある選手が出場できた競技はわずかに三つだった。5か月後の北京冬季パラリンピックでは一つもなく、パラリンピックムーブメントが拡大する中で、知的障害のある選手たちは置き去りにされたかのような状況にある。

 出場可能な競技でも、多様な障害のレベルに応じたクラス分けがされているとは言いがたく、出場できる選手は限られている。

 ダウン症のミケル・ガルシア(Mikel Garcia)選手の両親もそのことを痛感している。パラリンピックにダウン症のクラスはなく、二人は知的障害のある選手がパラリンピックにもっと出場できるようにしてほしいと訴える活動を行い、10万人分の署名を集めた。

 嘆願書には「私たちの息子ミケルは、2019年にオーストラリアのブリスベン(Brisbane)で行われた世界大会で、陸上の400メートルと800メートル、1500メートルで世界チャンピオンに輝きました」と書かれている。いくつかの連盟はガルシア選手ら除外されたアスリートのために、パラリンピックと並行した別の大会をつくったという。

 嘆願書は「私たちはまたしても、ダウン症の人たちをパラレルワールドに住ませているのです」と訴えている。