【9月8日 AFP】英国で7日、世界のラグビーのトッププレーヤーが参加する12人制のコンパクトな大会が新たに創設されるという報道が出た。これを受けてワールドラグビー(World Rugby)は、「包括的な協議」が必要になると反応している。

 主催者によると、新しい大会は「World 12s(ワールド・トゥエルブス)」という名前で、ティア1とティア2国の優秀な選手192人をオークション形式のドラフトで24人編成の8チームに分け、12人対12人で30分間の試合を行うという。

 各国連盟の承認はまだ得られていないが、英国に拠点を置く金融コンソーシアムのバックアップを取りつけていて、男子は2022年8月から、女子は翌年からのスタートを目指す。5年間で2億5000万ポンド(約380億円)を生み出し、新規ファンを獲得することが期待されている。

 大会チェアマンで、イングランドラグビー協会(RFU)の最高責任者を務めたこともあるイアン・リッチー(Ian Ritchie)氏は、コンセプトは「ラグビーユニオン(15人制)からの自然な進化」だと述べている。

 しかしワールドラグビーは広報を通じて、現在検討中の新たな年間カレンダーに新大会をどう組み込むつもりなのかと疑問を投げかけている。

「ファン層の拡大や魅力アップ、ラグビーの成長につながる可能性を持った革新的な考えは歓迎だが、さまざまな大会の主催者と包括的な協議をし、コンセプトの実現可能性を理解してもらう必要がある。特に現在は、世界のラグビーカレンダーに関する話し合いが行われている状況で、選手の幸福が最優先になっている」

 欧州のラグビーでは、8月は通常、休暇かシーズン前の準備期間にあたり、各クラブは所属選手の新大会参加に難色を示す可能性もある。

 イングランド・プレミアシップは「新しい大会の創設が提案された際は、大規模な協議が必要になると考えている。選手の幸福と、すでに過密状態のカレンダーという、広い文脈の中に置かなければ検討はできない」と話している。(c)AFP