【8月31日 AFP】ブラジルの先住民居留地で違法採掘の対象となった土地の面積が、2010~20年で495%拡大したことが、30日に発表された研究で明らかになった。

 採掘によって森林破壊と河川の水銀汚染が加速しており、違法採掘面積の急拡大がアマゾン(Amazon)熱帯雨林に与える影響が新たに懸念されている。

 今回の研究は、衛星画像を人工知能(AI)で分析し、世界最大の熱帯雨林アマゾンの破壊を追跡する共同プラットフォーム「マップバイオマス(Mapbiomas)」によるもので、ブラジルのパラ連邦大学(UFPA)も協力した。

 この結果、先住民居留地において採掘が行われている総面積は2010年から20年で495%拡大したことが分かった。同居留地での採掘は禁止されている。同期の保護区における採掘面積も301%拡大している。

 また、合法・違法を合わせた採掘総面積は1985年と比べ6倍近く拡大した。このうち72.5%が、気候変動抑制における重要な資源であるアマゾンに位置している。

 違法採掘の大半は、北部パラ(Para)州の先住民カヤポ(Kayapo)やムンドゥルク(Munduruku)の居留地で行われている。

 極右のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の下で、アマゾンの破壊が加速している。ボルソナロ政権は国内の保護森林区域をアグリビジネスや鉱業に開放する政策を後押しし、森林破壊の拡大の指揮を執ってきた。

 政府統計によると、今年7月までの1年間で、アマゾンでは8712平方キロの森林が破壊された。(c)AFP