【8月21日 AFP】米国防総省は20日、アフガニスタンからの退避作戦が数時間にわたって停滞したことを認めた。受け入れを行っているカタールの基地が超過状態となったためだという。

 米軍のハンク・テイラー(Hank Taylor)少将によると、アフガニスタンの首都カブールの空港を出発する米軍の退避便は、約7時間にわたって停止。カタールの米軍基地はすでにアフガニスタン人数千人を受け入れており、限界を超えたためで、すでに出国許可を受けて米国へ向かおうとする数千人がカブール空港での待機を強いられた。

 テイラー少将は記者団に対し、20日朝に退避作戦が約6〜7時間停滞したと説明。その後、停滞は解消して離陸を再開し、カブールで待機していた人々の出国を継続できているという。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、「カタールの拠点は収容能力の限界に至った」と説明し、「さらに人を受け入れる余地がなかった」と述べた。

 渡米を希望するアフガニスタン人の退避作戦について、米国防総省の手続きは官僚主義的で、対応するスタッフが不足していると批判されている。

 いったんカタールへ退避した人々からは、うだるような暑さの中、3日以上も米軍機の格納庫の床に寝かせられたという証言もある。

 テイラー少将によると、空輸が停止するまでに、アフガニスタン人数百人を除く約6000人をカブールから脱出させたという。

 在カタール米軍は、到着した避難民をドイツのラムシュタイン(Ramstein)にある米軍基地へ移送させる便を手配し、カタールからの退避便を20日遅くに再開させた。(c)AFP