【7月18日 AFP】米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は17日、ワクチンに反対する意見や情報を広めるコメンテーターらを強く非難し、天然痘やポリオの流行時にこの種の誤情報が存在していたら、米国は今もこうした感染症と闘い続けていたかもしれないと述べた。

 ファウチ氏の発言は、新型コロナウイルスワクチン接種率が低い州で感染者が急増しているにもかかわらず、国内の接種率の伸びが急速に鈍化していることへいら立ちの高まりを反映したもの。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領も16日、新型ウイルスやワクチン接種をめぐるソーシャルメディア上の誤情報が「人命を奪っている」と述べ、いら立ちをあらわにしていた。

 ファウチ氏はCNNのインタビューで、 「FOXニュース(Fox News)がでたらめにすぎないこうしたワクチン問題について、人々に毎晩警告していたとしたら、はしかに打ち勝ち、ポリオを排除することができた」と思うかと問われると、「現在広まっているこの種の誤情報が当時あったなら、わが国には恐らく今も天然痘やポリオが存在していただろう」と答えた。

 FOXニュースの人気司会者タッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏は最近、ワクチンについて、「効果がなく、そのことを伝えられていないだけかもしれない」と述べた。

 しかし、ワクチンは非常に効果的であることが証明されている。例えば、メリーランド州の当局者らによると、同州では先月、ワクチン接種を完了した人は、一人も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡しなかった。(c)AFP/Brian KNOWLTON