【7月7日 AFP】国連食糧農業機関(FAO)は5日付の報告で、北朝鮮で今年、約86万トンの食糧不足が発生するとみられ、早ければ来月から「ひどく乏しい時期」が始まると警告した。

 核兵器・弾道ミサイル開発をめぐり国際的な制裁を科されている北朝鮮は、食糧の自給に長年苦戦し、慢性的な食糧不足に陥っている。

 昨年は新型コロナウイルスの流行に加え、夏に台風と洪水が相次いで発生したことから、北朝鮮の経済状況はさらに切迫した。政府も先月、「進行中の食糧危機」に取り組んでいると認めた。

 FAOの報告書によると、今年の北朝鮮の穀物生産量は「平均水準に近い」560万トンだと推定される。

 これは北朝鮮の全国民を食べさせるのに必要な量より約110万トン不足しており、同国は「20万5000トンの輸入を公式に予定」していることなどから、実際には約86万トンの不足に直面する可能性があるという。

 報告書は不足分が「輸入か食糧援助、またはその双方で適切に穴埋めされなければ、(北朝鮮の)家庭は8月から10月にかけてひどく乏しい時期を過ごすことになる」と警告した。(c)AFP