【6月22日 AFP】(更新)米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ラスベガス・レイダース(Las Vegas Raiders)のDEカール・ナッシブ(Carl Nassib、28)が21日、同性愛者であることを公表した。NFLの現役選手が同性愛を公表するのはナッシブが初めて。

 インスタグラム(Instagram)に投稿した動画の中でカミングアウトをしたナッシブは、「しばらく考えていたが、やっと打ち明けることができてすっきりした気分だ。自分は本当に最高の人生を送れているし、最高の家族や友人、仕事に恵まれている」と述べ、自身の公表が他の同性愛のアスリートの可視化につながることに期待したいと語った。

 また、動画と一緒に投稿したメッセージの中で「この15年間、この瞬間のことを考えて悩んできた」とつづったナッシブは、家族や友人、コーチや仲間の選手のサポートが、カミングアウトをする後押しになったと付け加え、「彼らがいなければできなかったことだ」と記した。

 ナッシブは性的少数者(LGBTQ)の自殺防止活動を行う米NGO「トレバー・プロジェクト(Trevor Project)」に10万ドル(約1100万円)を寄付することも表明している。

 NFLでは引退後に同性愛を公表する選手は数人いたが、現役選手ではナッシブが初めて。2014年には当時学生選手のマイケル・サム(Michael Sam)氏がカミングアウトをし、その後セントルイス・ラムズ(St Louis Rams)からドラフト指名を受けたが、レギュラーシーズンの試合には一度も出場せず放出されていた。

 ナッシブの公表を受け、所属するレイダースはツイッター(Twitter)で「カール、君のことを誇りに思う」と称賛。NFLのコミッショナーを務めるロジャー・グッデル(Roger Goodell)氏も同選手の勇気をたたえ、同様のカミングアウトに報道価値のない未来が来ることを願っていると語った。(c)AFP