【6月12日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は11日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンの一部が、製造過程で汚染された恐れがあるため使用に適さないと判断したと発表した。

 FDAは、メリーランド州ボルティモア(Baltimore)にあるエマージェント・バイオソリューションズ(Emergent BioSolutions)の工場で生産された「複数」のロットのワクチンが使用に適さないと発表した。ワクチン1ロットは数百万回分に相当するとされる。

 今回対象となるワクチンの正確な数量はFDAもJ&Jも明らかにしていないが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、この件に詳しい人たちからの情報として、6000万回分と伝えている。

 FDAの科学者ピーター・マークス(Peter Marks)氏は、「これらの措置は、当該工場における生産履歴や製品の品質評価検査など、広範な調査を行った上で取られたものだ」と述べた。

 同工場は4月、J&Jのワクチン生産に使用された物質の複数のロットに、英アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンの原材料が混入していたことが明らかになり、J&Jのワクチン1500万回が使用できなくなったことを受け、数週間の生産停止が命じられていた。

 FDAはまだ同工場での生産再開を許可していない。同工場で生産されたアストラゼネカのワクチン6000万回分は外国に寄付される予定で、現在、出荷の可否を確認する品質評価が行われている。

 これまでに米国内で分配・使用されたJ&Jワクチンはすべて、ボルティモアではなくオランダで生産されたものだ。(c)AFP