【6月2日 AFP】メキシコ中部プエブラ(Puebla)州の畑の真ん中で、巨大な陥没穴が毎日数十メートルずつ拡大しており、近隣の住宅をのみ込む恐れが出ている。

 同州サンタマリアサカテペック(Santa Maria Zacatepec)に住むサンチェスさん一家は5月29日にすさまじい音を聞いた。最初は落雷だと思ったが、すぐに自宅近くの畑の地面が崩れていることに気付いた。陥没部分には水がたまっていた。

 当局によると、穴の直径は5月30日には約30メートル、5月31日には60メートル、6月1日には約80メートルにまで急拡大。サンチェス家にも迫っている。

 南東部ベラクルス(Veracruz)州から引っ越してきたサンチェス家の一員、エリベルト(Heriberto Sanchez)さんは報道陣に、「私たちには何もない。ここ出身ではないし、親戚もいない。誰にも頼れない」と訴えた。

 原因について科学者や当局は、断層運動や土壌に含まれる水分量の変化といった仮説を検討している。

 現場では陥没穴が広がるにつれ、淵から大きな土の塊が崩落しており、規制線に近づく見物人を恐れさせている。

 ソーシャルメディアには、男性2人が近づいたところ、穴が急拡大し慌てて逃げる場面を捉えた動画が投稿された。

 プエブラ州のミゲル・バルボサ(Miguel Barbosa)知事は、「水圧が下がるまで広がるだろう。自然に任せるしかない」と語った上で「今、重要なのは住民の安全だ」と述べ、被害を受けた人には補償を行うと述べた。

 映像は1日撮影。(c)AFP