【5月27日 AFP】中国政府は26日、新型コロナウイルスが武漢(Wuhan)の研究所から流出したとする説が再燃する中、「陰謀論と虚偽情報を広めている」として米政府を非難し、米国もウイルス研究施設を公開して調査させるよう要求した。

 新型ウイルスが世界に広がる直前の2019年11月、研究員3人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に似た症状で入院していたと米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことで、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)に再び注目が集まっている。

 同紙はまた、研究者らが7年前、コウモリが媒介する新種のコロナウイルスで労働者が謎の病気を発症した中国南西部の鉱山で、ウイルスのサンプルを採取していたと伝えた。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は同紙の報道を改めて否定した上で米国を非難した。「研究施設からの流出といった陰謀論や虚偽情報を広めている」

 新型ウイルスが中国の研究所から流出したという説は当初、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米政権がとりわけあおっていた。

 趙氏は、この説を復活させることは世界保健機関(WHO)の調査に対して「非礼」であり、「ウイルスと闘うための世界的な団結を損なう」恐れがあると述べた。

 さらに、「米国が真に完全な透明性を要求するのであれば、中国と同じように、WHOの専門家を招いて調査させるべきだ」と述べ、「メリーランド州にあるフォートデトリック(Fort Detrick)基地をできるだけ早く公開し、米国が世界中に持つすべての生物科学研究所も開放すべきだ」と語った。(c)AFP