【10月25日 AFPBB News】米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ジュノー(Juno)」は、太陽系最大の惑星である木星の起源や進化を探るべく、2011年に打ち上げられ、さまざまな知見をもたらしてきた。軌道投入から6年目に入ったジュノーが見た木星を写真で振り返る。

 ジュノーという名称は、ローマの神話に由来する。主神ジュピター(Jupiter)は自分の悪事を隠すために雲のベールをまとっていたが、妻の女神ジュノーは本性を見透かすことができたという。探査機は、米フロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられ、17億キロの距離を飛行して木星に到達、2016年7月に周回軌道に入った。 

 当初は2018年2月にミッション終了の計画だったが、少なくとも2025年9月まで運用期間が延長された。今後は、北極のサイクロンへの接近通過、衛星のエウロパ、イオ、ガニメデへの近傍通過、木星の淡い輪の初探査などを行う予定。木星の内部構造、内部磁場、大気圏や磁気圏の解明に向けた調査も継続する。

 2011年8月の打ち上げ成功後に、プロジェクトの主任科学者であり、米サウスウェスト研究所(Southwest Research Institute)所属のスコット・ボルトン(Scott Bolton)氏は、木星は「太陽系のロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)」のようなものだと形容した。

 同氏は、木星は太陽系の中で際立って古い惑星で、他の惑星と小惑星と彗星(すいせい)を全て合わせたよりも多くの物質を含んでいると指摘し、内部には太陽系だけでなく地球上の生命に関する謎を解き明かすカギが秘められていると述べた。

 「ジュノーは私たちの使者として赴いているのです。木星が何を語っているのかを伝えるために」と、探査への期待を語った。

 ミッション終了後、ジュノーは木星の大気圏に突入し燃え尽きる。(c)AFPBB News