【5月12日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で11日、13階建ての高層ビルがイスラエル軍の空爆を受けて崩壊した。同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は報復として、イスラエルの経済中心地テルアビブに向け多数のロケット弾を発射した。

 イスラエルとハマスの間では、聖地エルサレムでの騒乱をめぐる緊張が激化。交戦の規模は近年で最悪となっている。ガザ地区では10日夜以降、少なくとも30人が死亡し、うち10人が子どもだった。イスラエル側でも3人の死者が出ており、国際社会は事態の鎮静化を呼び掛けている。

 ガザ地区のAFP記者らによると、11日の空爆では、海岸沿いにある13階建てビルが完全に崩壊。ハマスはこの建物を集合住宅だとしているが、AFP記者らによれば、建物には複数のハマス司令官の事務所も入っていた。

 ロケット弾攻撃を受けたテルアビブ近郊リションレジオン(Rishon Letzion)では、イスラエル人女性1人が死亡。AFPカメラマンによると、同じく同市近郊のホロン(Holon)では、バス1台を含む複数の自動車が炎上した。

 イスラエル軍によると、ハマスやイスラム過激派組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」などは10日以降、ガザ地区からイスラエルに向けロケット弾600発以上を発射。多くはガザ地区内に着弾したり、イスラエル軍の防空システム「アイアンドーム(Iron Dome)」に迎撃されたりした。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、イスラエルがガザ地区での空爆をさらに強化する意向を示している。(c)AFP