【4月26日 AFP】ドイツ北部の新型コロナウイルスワクチン接種会場で、看護師がワクチンの瓶を誤って落とし、こぼれた中身の代わりに生理食塩水を入れてごまかしていたことが発覚した。この瓶から6人に接種が行われており、警察は25日、傷害の疑いで看護師に対する捜査を開始したと発表した。

 問題が起きたのは、ニーダーザクセン(Lower Saxony)州フリースラント(Friesland)郡にあるドイツ赤十字(German Red Cross)のワクチン接種センター。当局は、生理食塩水を注射された6人の特定を急いでおり、21日に同センターで接種を受けた200人に抗体検査を受けるよう呼び掛けている。

 看護師が落としたのは、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの瓶。このワクチンは接種前に生理食塩水で希釈する必要があり、看護師はその作業を担当していた。

 中身のこぼれた瓶に生理食塩水を入れてごまかしたことを打ち明けられた同僚が24日、警察に通報した。警察によると、看護師は「瓶を落としたことを報告しないで済ませたかった」と供述している。

 フリースラント郡のスフェン・アンブロジー(Sven Ambrosy)郡長は、「大きな衝撃を受けた」と述べるとともに、接種センターでのワクチンの瓶の取り扱いは必ず2人で行うよう手順を改めたことを明らかにした。(c)AFP