【4月16日 AFP】自転車ロードレースに参戦するビーニザブKTM(Vini Zabu-KTM)は15日、ここ数か月でチームに2件のドーピング違反があったことを理由に、来月8日に伊トリノ(Turin)で開幕するジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2021)に出場しないことを明らかにした。

 ビーニザブは「今年のジロ・デ・イタリアには参加しないということで、主要スポンサーと合意した。その一方で、ドーピングと闘うべく最大限に入念な措置を取っていることを関係当局に向けて実証している」と述べた。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で10月に開催された昨年のジロ期間中、マッテオ・スプレアフィコ(Matteo Spreafico、イタリア)が検査で2度失格になっていた同チームは、今年2月16日に行われた抜き打ち検査で、同胞のマッテオ・デ・ボニス(Matteo De Bonis)が赤血球の数を増加させる禁止薬物のエリスロポエチン(EPO)に陽性反応を示し、国際自転車競技連合(UCI)からの処分を待つ中で、大会から退くことを表明した。

 下部シリーズに参戦するビーニザブは、ジロを主催するRCSスポルト(RCS SPORTS)から招待された3チームの一つとして、3週間にわたって開催される同大会に出場する予定だった。しかし、クリーンな自転車競技を目指す団体「信頼ある自転車競技のための運動(MPCC)」いわく、ここ12年間でドーピング検査に9度失格となっていることから、大会への招待は周囲に驚きをもたらしていた。

 そうした中で主催者は、2019年大会でステージ優勝を果たしたファウスト・マスナダ(Fausto Masnada、イタリア)を擁するアンドローニジョカットリ・シデルメク(Androni Giocattoli Sidermec)が、ビーニザブの代わりに今大会に出場すると発表した。(c)AFP