【4月13日 AFP】ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)にある歴史的な工場で12日午後1時半(日本時間同7時半)ごろ、大規模な火災が発生し、黒煙が上空を覆った。

 非常事態省によると、現場はネバ川(Neva River)沿いのオクチャブリスカヤ(Oktyabrskaya)堤防に立つ赤れんが造りの「ネフスカヤ・マヌファクトゥラ(Nevskaya Manufaktura)」。

 火の勢いは夜になっても止まらず、軍の消防ヘリコプターの応援を受けた消防隊員約350人が消火活動を続けた。非常事態省によると、消防隊員1人が死亡、2人が全身の40~50%をやけどする重傷を負い、病院に搬送された。

 工場から40人が避難したほか、付近のホテルは閉鎖され、宿泊客は別の場所に移動した。

 現場のAFP記者によると、火は工場全体を包み、付近の木々に燃え広がったほか、複数の消防車と救急車が駆け付けた。

 約1万平方メートルが焼け、工場の屋根は大部分が焼け落ちた。現時点では、出火原因は特定できていない。

 地元ニュースサイトのフォンタンカ(Fontanka)によると、サンクトペテルブルク市の文化財に指定されているこの工場は19世紀後半、ロシア最大級の織物製造企業ソーントン・ウーレン・ミル・カンパニー(Thornton Woollen Mill Company)が使用していた。

 英国人のジェームズ・ジョージ・ソーントン(James George Thornton)とその息子たちが設立した同社の製品は、1900年に仏パリで開催された万国博覧会で最高賞を受賞したとされる。

 映像序盤と終盤は上空から12日撮影・提供。中盤は12日撮影。(c)AFP