【4月13日 AFP】南米ペルーの大統領選は12日夜、開票率90%の段階で教員組合出身の急進左派ペドロ・カスティジョ(Pedro Castillo)氏(51)が首位に立っている。

 選挙管理委員会によると、得票率はカスティジョ氏が18.83%、不正献金罪で起訴された右派ポピュリストのケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が13.21%で2位に付けている。

 過半数の51%を獲得した候補はおらず、6月6日の決選投票で2人が対決することになる見込み。

 選挙前の世論調査で5位以内にも入っていなかったカスティジョ氏にとっては、期待を大きく上回る結果となった。

 カスティジョ氏は、2017年に教師数千人を率いて長期にわたる全国ストライキを行い、政府の妥協を引き出すまではほとんど無名だった。現在は、急進左派の小政党「ペルー・リブレ」を率いている。大統領選の公約として、犯罪歴のある「不法滞在外国人」の国外追放、死刑制度の復活、政府によるエネルギーや鉱物資源の管理を掲げている。

 一方、アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の長女で、フジモリ派政党「フエルサ・ポプラル」党首のケイコ・フジモリ氏にとって、大統領選は3度目の挑戦。2011年と16年の大統領選で、ブラジルの建設大手オデブレヒト(Odebrecht)から不法献金を受け取った罪で起訴されているが、6月の決選投票で勝利した場合、大統領の免責特権で任期が終わるまで裁判は保留される。

 ペルーは新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)で企業が閉鎖。主要な観光部門が機能不全に陥り、昨年第2四半期から不況が続いている。

 また、国の最高指導層の汚職により政治的混乱にも陥っており、7月28日に就任する次期大統領は、3年間で5人目の大統領となる。(c)AFP/Luis Jaime CISNEROS and Francisco JARA