【4月11日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫フィリップ殿下(Prince Philip)が9日に死去したことを受け、英国のテレビ各局は放送内容を変更し、殿下の長い生涯を振り返る特別番組を放送した。王室関係者が死去した場合の番組内容の変更方針については、長らく準備が進められてきた。

 日中の番組は、臨時ニュースによって中断された。英国放送協会(BBC)は9日、主要チャンネルのBBC OneBBC Twoに加え、ラジオのRadio 4Radio 5 Liveの放送予定をすべて変更し、99歳で死去したフィリップ殿下の生涯を振り返る番組を放送した。

 ほとんどの人にとって英国社会の中心的な存在だった殿下の死には放送内容を変更してしかるべきと感じる人が多くいる一方で、殿下のことばかり放送される状況に不満を漏らす人もいる。中でも、公共放送のBBCに対する批判が強い。

 最近までBBCのニュースキャスターを務め、これまでも放送で王室を取り上げることに否定的だったサイモン・マッコイ(Simon McCoy)氏は、複数のチャンネルで全面的に殿下の死について報じることに疑問を投げかけた。

 マッコイ氏はツイッター(Twitter)に、「BBC1とBBC2では同じ内容が放送されている。(24時間放送の)ニュースチャンネルも、おそらく同じ内容だろう。なぜだ? 大きな出来事なのは理解しているが、番組を選ぶ権利があるはずだ」と投稿した。