【4月11日 AFP】ミャンマーで10日、国軍の新たな弾圧で80人以上が死亡したと伝えられた。

 ミャンマーでは、国軍が2月にアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の文民政権に対するクーデターを起こして以降、混乱が続いている。

 クーデターから2か月以上たった今、軍事政権はモバイルデータ通信を制限。国民の大半が情報を入手できず、弾圧の発生とその死者数の確認が困難になっている。

 最大都市ヤンゴンの北東65キロにあるバゴー(Bago)で行われた残虐な弾圧については、詳細が伝えられるまでに丸1日を要した。住民らがAFPに語ったところによると、国軍による暴力行為が続いており、近隣の村の人々は脱出を余儀なくされたという。

 犠牲者数の集計を続けている現地の人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」は10日夜までに、9日にバゴーで行われた反クーデターのデモで治安部隊が80人以上を殺害したことを確認した。

 同団体が現時点までに確認していたクーデター発生以降に死亡した市民は618人。これにバゴーでの犠牲者が加わる。

 軍事政権が9日に発表した死者数は、これよりもはるかに少ない248人だった。

 国営メディアが9日夜に報じたところによると、軍事裁判によって19人が強盗と殺人の罪で死刑を宣告された。このうち17人については、本人不在の欠席裁判だった。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は10日、反クーデター運動内部の恐怖をあおる方策だとして、この判決を非難した。ノルウェーの外相は、死刑判決は「受け入れ難い」と述べた。(c)AFP